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離婚で家を売る前に知っておきたい7つのこと|共有名義・ローン・財産分与をFPが解説

【損しない】不動産売却

松本 望美

筆者 松本 望美

不動産キャリア3年

専門資格:宅地建物取引士・二級建築士・二級ファイナンシャルプランナー
職歴:リフォームプランナー・リノベーションプランナー・新築戸建住宅開発・不動産売買

不動産の知識のみならず、建築士、FP、ママ目線でもあなたのお家をお探しいたします!
西宮市で、双子を含む子供3人を育てているワーキングママです。

離婚が決まった。でも家のローンがまだ残っている——。
名義は夫婦共有のまま。財産分与の話し合いはまだこれから。
これから一体、何から動けばいいのか。

そう感じてスマホで「離婚 家 売る」「共有名義 離婚」と検索している方は、実は少なくありません。LIFULL HOME'Sのデータによると、西宮市のマンション売却・査定依頼の理由のうち「離婚による不動産の売却」は14.0%を占めています(2026年6月時点)。それだけ多くの方が同じ悩みを抱えているということです。

この記事では、西宮・阪神間エリアでよくある「離婚×不動産売却」のパターンをもとに、FP視点で7つのポイントを整理しました。共有名義の解消方法・オーバーローンへの対処・財産分与での不動産の扱い・売却タイミングと税金の関係まで、順を追って説明します。

「まだ離婚するかどうかも決まっていない」という段階でも大丈夫です。知っておくだけで、選べる道の数が変わります。

● この記事でわかること
  • 共有名義の放置リスク:離婚後も名義・返済義務が残り続けることと、解消する3つの方法
  • オーバーローンの対処法:売却価格が残債を下回っても使える「任意売却」という選択肢
  • 財産分与の計算の基本:査定価格からローン残債を引いた「実質価値」で考える方法
  • 売却タイミングと税金:離婚前・後どちらで売るかで変わる課税関係と3,000万円特別控除の要件
  • 西宮・阪神間の売却相場:駅別・築年数別の参考価格(2026年6月時点)
● この記事に向いている方
  • 離婚にともない、共有名義の家(マンション・戸建)をどうするか迷っている方
  • 住宅ローンが残っている状態で売却できるか不安な方
  • 財産分与の話し合いはこれからで、まず不動産の価値と選択肢を整理したい方
  • 西宮・尼崎・宝塚・芦屋・伊丹・神戸市東灘区エリアで不動産を保有している方

焦らなくていいです。でも、知っておくかどうかで選べる道の数が全然変わります。一緒に整理していきましょう。
ピットちゃん

離婚で家を売るとき、最初に詰まる3つのこと

「離婚と家」の問題が複雑に感じる理由は、「お金・法律・感情」が同時に絡み合うからです。まず、よくある3つの詰まりポイントを確認しましょう。

共有名義のまま別居・放置するとどうなるか

住宅ローンを夫婦共同で組んでいる場合、どちらかが家を出ても、名義と返済義務は残り続けます。住宅ローンの連帯債務・連帯保証は、離婚しても自動的に解除されません。

具体的には以下のようなリスクがあります。

● 共有名義放置のリスク(見落とし注意)
  • 信用情報への影響:住み続ける側が返済を滞らせると、住んでいない側の信用情報にも傷がつく
  • 将来の住宅購入への支障:共有名義のままでは、再婚や新たな住宅購入の際にローン審査に影響が出る可能性がある
  • 相続の複雑化:一方が亡くなった場合、相続が絡んで名義の整理がさらに難しくなる

ローン残債が売却価格を上回る「オーバーローン」とは

購入から年数が浅い場合や、購入時より市場価格が下がった場合、「売却しても住宅ローンが完済できない」状態になることがあります。これをオーバーローンといいます。

たとえば残債が2,800万円のとき、査定価格が2,400万円であれば、差額400万円が不足します。この不足分を自己資金で補填できない場合は「任意売却」という選択肢があります。任意売却とは、金融機関の同意を得た上で市場価格に近い価格で売却を進める手続きです。競売(法的強制売却)に比べて売却価格が高くなりやすく、引渡し時期の交渉もある程度できるという特徴があります。

※ 任意売却は金融機関の同意が必須です。対応条件は金融機関ごとに異なります。必ず弁護士・司法書士と連携して進めてください。

財産分与で不動産はどう扱われるか

財産分与とは、婚姻中に夫婦で築いた財産を離婚時に分けることです。民法上、原則として「2分の1ずつ」が基本ですが、不動産の場合は現金と違って物理的に分けられないため、方向性が3つに分かれます。

方法 内容 向いているケース
①売却して現金を分ける 家を売り、残債返済後の手残りを財産分与 どちらも家を出る場合。最もシンプル
②どちらかが住み続ける 住む側が相手に相当額を払い、名義変更 子どもの学校等の理由で住み続けたい側がいる場合
③共有のまま保留 当面そのままにする 非推奨。将来の問題を先送りするだけになる

望美
財産分与では、家の時価だけでなくローン残債もセットで考える必要があります。たとえば査定が3,200万円でも残債が2,600万円なら、実質的な財産は600万円です。この数字を正確に把握しないと、交渉の土台が作れません。まず査定を受けることが最初の一歩です。

事例:共有名義マンションを財産分与で売却した流れ

● モデルケース(実在の事例ではありません)

Dさん夫婦(夫38歳・妻35歳/子どもなし)
西宮北口駅徒歩10分・3LDK・専有面積72㎡のマンションに在住。購入価格3,800万円、購入から6年経過、残債約2,800万円。離婚の話し合いが始まり、家の扱いをどうするか相談にいらっしゃいました。

まず不動産会社に査定を依頼したところ、査定価格は約3,400万円。残債2,800万円を上回っていたため、通常売却を進めることになりました。

項目 金額(概算)
売却価格 3,400万円
残債返済 -2,800万円
仲介手数料・諸費用 -約120万円
手残り(財産分与の対象) 約480万円 → 各240万円

税金については、購入価格3,800万円に対して売却価格3,400万円のため、売却損(400万円)が生じる見込みでした。「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」の適用要件について税理士に確認するよう案内しました(詳細は後述)。

弁護士に離婚協議書の作成を依頼しながら、並行して不動産売却を進める形をとったことで、約4カ月でスムーズに完結しました。

内部リンク①:ペアローンや連帯債務の仕組みについてはこちらの記事も参考にしてください。

知っておきたい7つのポイント

ここからが本編です。「離婚で家を売る」前に知っておきたい7つの論点を、FP・建築士の視点で整理します。

①まず「売る or 住み続ける」の方向を決める

最初の分岐点は「家を売るか・どちらかが住み続けるか」です。この方向が決まらないと、その後の手続きが進みません。

感情的になりがちなテーマですが、まず「残債はいくらか」「査定価格はどのくらいか」という数字を把握することが先決です。感情的な交渉を整理するのは弁護士の仕事、お金の全体像を整理するのはFPや不動産会社の仕事。それぞれに早めに相談することで、判断の材料が揃います。査定だけ先に依頼することは可能で、費用もかかりません。

②共有名義を解消する3つの方法

方法 概要 注意点
①売却して名義を消す どちらも家を出て、売却後の手残りを分ける 最もシンプル。名義と債務が同時に消える
②持分買取で単独名義にする 住む側が相手の持分を適正価格で買い取る 買い取る資金・単独でのローン審査通過が必要
③借り換えで残債ごと引き受ける 住む側が新たにローンを組み直す 金融機関の審査が必要。収入・信用情報次第

②③はどちらも金融機関の審査が通らないと実現できないため、現実的かどうかを先に確認しましょう。名義変更の登記手続きは司法書士が担います。

③オーバーローンでも選択肢はある

残債が売却価格を上回るオーバーローンの状態でも、以下の3つの選択肢があります。

● オーバーローン時の選択肢
  • 差額を自己資金で補填:不足分を手持ち資金で支払い、通常売却として完結させる
  • 任意売却:金融機関の同意を得て、市場価格に近い価格で売却。競売より売却価格が高くなりやすい(金融機関の同意が必須)
  • 住み続ける側が残債を引き受ける:名義変更と合わせてローンを引き受ける方法。金融機関の審査次第

任意売却は、滞納が続くと金融機関が競売手続きに移行するため、判断は早いほど選択肢が広がります。任意売却に対応した不動産会社・弁護士への早めの相談が重要です。

④財産分与の2分の1ルールと不動産の実質価値

民法上、婚姻中に形成した財産は原則2分の1ずつ分けることになっています(ただし、結婚前からの貯蓄・相続で得た財産など「特有財産」は除く)。不動産の場合、分与の対象となる実質的な価値は「査定価格(時価)からローン残債を引いた額」です。

● 財産分与の計算イメージ
  • 査定価格3,400万円 − 残債2,800万円 = 実質価値600万円 → 各300万円
  • 割合は夫婦の合意があれば2分の1以外でも可。専業期間・育児負担を考慮した交渉も可能
  • 住み続ける側が家の評価額を受け取り、他の財産を相手に渡す「代償分割」という方法もある

※ 財産分与に関する法的な交渉・離婚協議書の作成は弁護士にご相談ください。

⑤離婚前に売るか・後に売るかで税金が変わる

不動産を売却して利益が出た場合、譲渡所得税がかかります。ここで注意が必要なのが「離婚前か離婚後か」というタイミングです。

売却タイミング 課税の扱い 注意点
離婚成立後に売却 それぞれが自分の持分を売却したとして課税 3,000万円特別控除を各自で適用できる可能性あり
離婚成立前に売却 夫婦共同の売却として課税(まだ夫婦扱い) 離婚前の持分移転は「特別の関係がある人」への売却に該当し控除が使えない場合がある

売却のタイミングは税負担に直結します。FPや税理士に事前確認した上で動くことを強くおすすめします。

※ 税制は変更される場合があります。最新情報は国税庁または税理士にご確認ください。

⑥売却益が出た場合は「3,000万円特別控除」を確認する

マイホーム(居住用財産)を売却して利益が出た場合、その利益から最大3,000万円を控除できる特例があります(「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」)。

● 主な適用要件(国税庁 No.3302・令和7年4月1日現在)
  • 売却する家が自分の住まいであること:または住まなくなってから3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  • 所有期間の長短は問わない
  • 前年・前々年にこの特例を使っていないこと
  • 「特別の関係がある人」への売却でないこと:生計を一にする親族・内縁関係にある人も含む
  • 確定申告が必要:利益がゼロになる場合も申告が必要

離婚にともなう売却でこの控除を使えるかどうかは、売却のタイミング・誰が売るか・別居後の生計の状況によって変わります。必ず税理士に確認してください。

出典:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」(令和7年4月1日現在)

⑦売却損が出た場合も使える特例がある

逆に売却損(オーバーローンで損失が生じた場合など)については、「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」という制度があります。この特例を使うと、売却損をその年の給与所得等と合算して税負担を減らすことができ、控除しきれなかった損失は翌年以後3年間繰り越せます。

● 主な適用要件(国税庁 No.3390・令和7年4月1日現在)
  • 所有期間5年超:売った年の1月1日時点で5年超の所有が必要
  • 住宅ローン残高あり:売買契約日前日時点で、償還期間10年以上のローン残高があること
  • 売却価格がローン残高を下回っていること
  • 「特別の関係がある人」への売却でないこと
● 重要:この特例の適用期限に注意
  • 国税庁 No.3390(令和7年4月1日現在)によると、この特例は令和7年(2025年)12月31日までの譲渡が対象です。2026年以降の適用については国税庁または税理士に必ずご確認ください。

リチャード
誰に頼めばいいかわからないのは当然です。離婚×不動産は複数の専門分野が重なる領域で、一人がすべてカバーできるわけではありません。弁護士・司法書士・FP・不動産会社それぞれの役割を把握して、並行して動くのがポイントです。

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弁護士・司法書士・FP・不動産会社——誰に何を頼むか

離婚にともなう家の売却には複数の専門家が関わります。役割分担を整理しておくと、無駄なく動けます。

専門家 主な役割 いつ動くか
弁護士 離婚協議・財産分与の交渉・離婚協議書の作成 離婚協議開始時から
司法書士 名義変更・抵当権抹消の登記手続き 売却決定後〜契約時
FP・税理士 売却後の税金計算・財産分与後の家計設計 売却前の試算段階から
不動産会社 査定・売却活動・任意売却の相談 早めに相談が望ましい

注意したいのは「弁護士に頼んでいるから不動産会社はまだいい」と後回しにしてしまうケースです。査定価格がわからないと財産分与の交渉数字も固まらないため、弁護士への相談と並行して不動産会社への査定依頼を進めることを強くおすすめします。

ピット不動産では、FP・建築士資格を持つスタッフが不動産売却の相談に対応しています。「弁護士にはまだ頼んでいないが、まず不動産の価値と選択肢を整理したい」という段階でも構いません。匿名・相談のみ無料でLINEからご相談いただけます。

内部リンク②:売却から新居購入までの全体的な流れはこちらの記事も参考にしてください。

内部リンク③:ピット不動産のFP・建築士サービスについてはこちらをご覧ください。

※ 財産分与に関する法的な交渉・協議書作成は弁護士の業務範囲です。具体的な手続きはそれぞれの専門家にご確認ください。

西宮・阪神間エリアのマンション売却相場——まず数字を知ることが出発点

財産分与の交渉で「家の価値」を正確に把握するには、まず査定を受けることが必要です。その前段として、エリアの相場感を持っておくことも有効です。

以下はLIFULL HOME'Sの独自ロジックによる参考価格です。あくまで目安であり、実際の価格は物件の条件(階数・向き・管理状態・駅徒歩分等)によって大きく変わります。

駅別 売却相場の目安(専有面積70㎡換算・2026年6月時点)

路線・駅 平均価格(参考)
阪神本線 西宮駅周辺約2,916万円
阪神今津線 阪神国道駅周辺約2,729万円
阪急神戸線・JR 西宮北口駅周辺約2,543万円
阪急今津線・阪神 今津駅周辺約2,524万円
阪神本線 甲子園駅周辺約2,274万円
阪急神戸線 夙川駅周辺約2,149万円
阪急今津線 甲東園駅周辺約2,039万円
阪神武庫川線 武庫川団地前駅周辺約1,937万円
JR福知山線 西宮名塩駅周辺約1,608万円

出典:LIFULL HOME'S(2026年6月1日更新)。専有面積70㎡の参考価格。価格を保証するものではありません。

築年数別 相場の目安(西宮市平均・専有面積70㎡)

築年数 推定相場(参考) 坪単価
築5年約4,275万円202万円/坪
築10年約4,018万円190万円/坪
築15年約3,760万円178万円/坪
築20年約3,502万円166万円/坪
築30年約2,986万円141万円/坪

出典:LIFULL HOME'S(2026年6月9日更新)。価格を保証するものではありません。

西宮市のマンション価格は直近3年間で約3.33%上昇、昨年同時期比では約4.36%の上昇傾向にあります(LIFULL HOME'S・2026年6月時点)。尼崎・芦屋・宝塚・伊丹・神戸市東灘区・灘区エリアも対応しています。

内部リンク④:売却後の住み替えを検討中の方はこちらの記事も参考にしてください。


望美
ファミリー向け3LDK・70㎡前後の物件は、西宮市内でも成約期間が短い傾向があります(平均6.8カ月)。売りに出すタイミングや価格設定で結果が変わることも多いので、早めに動くことが大切です。

あなたの状況はどのパターン?3つの分岐で整理する

まず以下の3つの質問で、おおよその方向性が見えてきます。

● セルフ判断:3つの分岐
  • 分岐1・残債と査定価格の関係:査定>残債 → 通常売却が可能。財産分与の計算がしやすい。査定<残債(オーバーローン)→ 任意売却または差額補填の検討が必要
  • 分岐2・どちらかが住み続けるか:住む側がいる → 持分買取または借り換えが必要。先に金融機関審査を確認。どちらも出る → 売却を基本に動く
  • 分岐3・売却で益が出るか損が出るか:購入価格より高く売れそう → 3,000万円特別控除の要件を税理士に確認。損が出そう → 譲渡損失の損益通算・繰越控除の特例の要件を税理士に確認

「どのパターンかわからない」という場合は、まず査定を受けて「今の市場価格と残債の関係」を把握することが最初の一歩です。

まとめ

  • 共有名義の放置はリスク:離婚後も双方の信用情報・返済義務に影響が続く。早めに解消の方向を決める
  • オーバーローンでも手段はある:任意売却(金融機関の同意が必須)という選択肢がある。判断は早いほど有利
  • 財産分与は実質価値で考える:査定価格からローン残債を引いた額が分与の対象
  • 売却タイミングと税金はセットで確認:3,000万円特別控除・譲渡損失の特例、どちらも要件を税理士に確認してから動く
  • 専門家は並行して動かす:弁護士への相談と同時に査定を依頼する。財産分与の数字が固まらないと交渉も進まない

家を売る判断は、焦ってする必要はありません。ただ「知らないまま放置すること」だけは避けてほしいと思います。選択肢があることを知った上で、自分のペースで動いてください。


状況は人によって全然違います。ローンの残額、どちらが住み続けるか、子どもの有無……。まず話せる場所があることを知ってほしいです。匿名でいいので、LINEで教えてください。売却相談と並行して、住み替え先の相談も一緒にできますよ。
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