
離婚とペアローン|解消4パターンをFPが比較解説|西宮版
ペアローンのまま離婚を進めると、売却後も元配偶者の残債やローン契約に縛られ続けるリスクがあります。
「離婚することは決めたけれど、二人で組んだ住宅ローンをどうすればいいのか分からない」
西宮・阪神間でご相談をお受けする中でも、ペアローンを組んだご夫婦から特に多いお悩みです。
ペアローンは夫婦それぞれが別々にローン契約を結ぶ仕組みです。
名義や契約の整理を後回しにすると、離婚後も元配偶者の返済状況に自分の生活が左右され続けることがあります。
- 理由:ペアローンが離婚時に問題になりやすい理由
- 方法:ペアローンを解消する4つの方法とそれぞれの条件
- 判断軸:自分たちのケースがどの方法に向いているか
- 注意点:財産分与を進める際に気をつけたいポイント
- 夫婦でペアローンを組んで住宅を購入し、離婚を考えている方
- どちらか一方が住み続けるべきか、売却すべきか迷っている方
- 財産分与とローンの整理を同時に進める必要がある方
感情的になりやすいタイミングだからこそ、まず「今どんな選択肢があるか」を知ることが、後悔のない決断につながります。
目次
なぜペアローンは離婚時に「揉めやすい」のか
西宮・阪神間エリアでも、ペアローンで住宅を購入された共働きご夫婦からのご相談は年々増えています。
結論から言うと、ペアローンは夫婦それぞれが独立したローン契約者になる仕組みのため、離婚しても金融機関との契約は自動的に変わらないことが最大の理由です。
連帯債務型・連帯保証型が1本の契約であるのに対し、ペアローンは夫と妻がそれぞれ別のローンを契約し、団体信用生命保険(団信)にも個別に加入、住宅ローン控除も各自で利用できます。
この「独立した2契約」という構造があるからこそ、離婚後もお互いの返済義務が消えず、たとえ夫婦としての関係が終わっても、金融機関との契約上の責任は残り続けます。
一方が返済を滞らせれば、もう一方に一括請求が及ぶ可能性がある点は、財産分与を進める前に必ず理解しておきたいポイントです。
また、離婚のタイミングで転職を考える方もいます。
ただし勤続年数が短いと、住宅ローンの審査で不利に働くことがあります。ペアローンの整理を優先するなら、転職の時期は慎重に検討することをおすすめします。
実際のご相談事例
Nさんご夫婦(西宮市内・西宮北口エリア在住/30代前半/共働き/子どもなし)
5年前にペアローンで中古マンションを購入。夫が2,000万円、妻が1,000万円をそれぞれ契約していました。
離婚を機にどちらも住み続ける予定はないため売却を検討。しかし、ローン残債と売却価格がほぼ同水準で、諸費用を含めるとわずかにオーバーローンになる可能性があることが判明しました。
「このまま放置すると、どちらかが元配偶者の残債に巻き込まれるリスクがある」と気づいたことが、相談のきっかけになったそうです。
査定と残債を突き合わせた結果、最終的にはわずかな自己資金の持ち出しで完済できる見込みが立ち、通常の売却で進めることになりました。
感覚だけで「オーバーローンだから無理」と諦めず、まず数字で確認することをおすすめします。
査定価格はあくまで参考価格です。実際の成約価格は、内覧時の印象や交渉によって変動します。
ペアローンを解消する4つの方法
ペアローンの解消方法は、主に次の4パターンに整理できます。
それぞれ条件やハードルが異なります。自分たちの状況に近いものを確認してみてください。
方法①一本化(住宅ローンの借り換え)
住み続ける側が、別の金融機関で単独名義の新しいローンを組み、そのお金で既存のペアローンを完済する方法です。
借り換え後は住み続ける側のみが返済義務を負い、元配偶者はローン契約から離脱できます。
ただし、これまで夫婦二人分の収入を前提に組んでいたローンです。離婚後の単独収入で審査に通す必要があるため、ハードルは決して低くありません。
借り換えには諸費用がかかります。贈与税が発生するケースもある点にも注意が必要です。
また、借り換え後は住み続ける側が新たに団信へ加入し直す必要があり、健康状態によっては加入できないケースもあります。
方法②一本化(免責的債務引受)
一方の債務をもう一方が引き取り、契約している金融機関の中でローンを一本化する方法です。
借り換えのように新たな金融機関を探す必要はありません。
ただし、こちらも金融機関の審査が必要です。免責的債務引受に対応していない金融機関もあります。
引き受ける側に十分な返済能力があると認められなければ、この方法は選べません。
借り換えに比べて諸費用を抑えられる場合がある一方、対応可能な金融機関が限られる点がデメリットです。
方法③相手の持分買取
住み続ける側が、出ていく側が保有する不動産の共有持分を買い取り、所有権を一本化する方法です。
ローンの整理とあわせて行われることが多く、買取資金が手元にない場合は、持分買取専用のローン商品を検討するケースもあります。
ただし、元夫婦間の売買は通常の不動産取引と異なります。価格の妥当性を客観的に示しにくい点に留意が必要です。
財産分与の一環として扱われることが多いため、金額の妥当性については専門家に確認しながら進めることをおすすめします。
方法④売却(アンダーローン・オーバーローン)
どちらも住み続ける予定がない場合は、売却によってペアローンを清算するのが最もシンプルな方法です。
売却価格がローン残債を上回る「アンダーローン」であれば、完済後に残ったお金を財産分与として分けられます。
一方、売却価格がローン残債を下回る「オーバーローン」の場合は注意が必要です。
差額を現金で用意できなければ、通常の売却は難しくなります。金融機関の同意を得たうえで進める「任意売却」を検討する必要があります。
任意売却は金融機関との調整が前提です。早めに動き出すことが重要です。
また、任意売却によって居住用財産でなくなった場合、原則として住宅ローン控除の適用を受けられなくなる点にも注意してください。
西宮・阪神間エリア(西宮北口・夙川・甲子園口・芦屋・宝塚・伊丹・尼崎・神戸市東灘区・灘区など)では、中古マンション相場が直近3年で上昇傾向にあります。
(前年比+3.33%・2026年4月時点・LIFULL HOME'S調べ/参考価格のため実際の価格は物件条件により異なります)
アンダーローンで完済できるケースも増えています。
ただし物件の立地・築年数によって差が大きいため、まずは現時点の残債と売却見込み価格を突き合わせることが第一歩です。
西宮・阪神間エリアの詳しい売却相場については、別記事「西宮の中古マンション・戸建て、今いくらで売れる?2026年エリア別売却相場をFPが解説」もあわせてご確認ください。
一本化の審査が通りにくい場合、ペアローンを解消せず、離婚後も夫婦それぞれが名義を持ったまま返済を続けるという選択肢も現実には存在します。
無理に借り換えを急ぐより、当面は共有のまま返済を続け、収入状況が整った段階で改めて一本化や売却を検討するケースもあります。
ただし、この場合は元配偶者の経済状況に将来にわたって影響を受け続けるリスクが残るため、返済の分担方法や将来的な売却の条件について、公正証書など法的に有効な形で取り決めておくことをおすすめします。
口約束のまま「ローンは相手が払う」と決めていても、金融機関との契約上の責任は消えません。
万が一相手が返済を滞納した場合、連帯債務者・連帯保証人であるもう一方に一括請求が及ぶ可能性があります。この点は、離婚前に必ず共有しておきたいポイントです。
4つの方法を整理すると、①借り換えと②免責的債務引受は「住み続けたい側がいる」場合の選択肢で、いずれも金融機関の審査が最大のハードルになります。
③持分買取は財産分与と一体で進めるケース、④売却はどちらも住み続けない場合のシンプルな選択肢ですが、オーバーローンかどうかで難易度が大きく変わります。
まずは自分たちがどのパターンに近いかを整理することが、次の一歩につながります。
感情的になりやすいタイミングだからこそ、まず客観的な数字を並べることが判断の助けになります。
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自分たちのケースはどれに当てはまる?セルフチェック
ここまで読んで、「自分たちの場合はどれに近いだろう」と思った方のために、セルフチェックポイントをご紹介します。
- チェック①:どちらも住み続ける予定はなく、売却でよいか
- チェック②:売却価格がローン残債を上回りそうか(アンダーローンか)
- チェック③:住み続ける側の単独収入で、住宅ローンの審査基準(返済比率など)を満たせそうか
- チェック④:相手の共有持分を買い取るだけの資金を用意できるか
- チェック⑤:財産分与について弁護士・司法書士に相談する必要があるか
財産分与に関する注意
ペアローンの整理は、財産分与の話し合いと切り離せません。
住宅ローンや共有持分の扱いは個別性が非常に高いテーマです。具体的な分与割合や手続きについては、弁護士・司法書士など専門家との連携をおすすめします。
西宮・阪神間エリアで、売却の相談先そのものに迷っている場合は、匿名相談可否や専門家チームでの一体対応可否を基準に選ぶ方法もあります。
感情的になりやすい局面ほど、中立的な第三者が間に入ることで話し合いがスムーズに進むことがあります。
共有名義や財産分与の基本的な考え方については、別記事「離婚で家を売る前に知っておきたい7つのこと|共有名義・ローン・財産分与をFPが解説」で詳しく解説しています。
相談先そのものに迷っている場合は「相続・離婚の不動産売却、なぜ「誰に相談すればいいか」迷うのか?西宮版」も参考になります。
まだ確認できていない項目がある方は、売却についてLINEで無料相談しながら、一緒に整理することもできます。
よくある質問
いいえ、ペアローンの有無が離婚そのものを妨げることはありません。
ただし、住宅ローンや不動産の扱いについて、夫婦間で合意を形成しておく必要があります。
結論から言うと、ペアローンの契約者である限り、離婚後も返済義務は残ります。
金融機関は契約に基づき、もう一方の契約者に返済を求める権利を持ちます。離婚時にローンの整理を済ませておくことが重要です。
夫婦二人分の収入を前提に組んだ借入額を、単独の収入で返済できると認められる必要があります。
一般的な住宅ローン審査より厳しくなる傾向があります。金融機関ごとに基準が異なるため、複数の金融機関に相談することをおすすめします。
結論から言うと、金融機関の同意を得たうえで進める任意売却という方法があります。
西宮・阪神間エリアでも任意売却のご相談は珍しくありません。通常の売却とは異なる手続きが必要になるため、早い段階で不動産会社や金融機関に相談することが大切です。
税金面の特例(3,000万円特別控除や譲渡損失の損益通算など)については、別記事「住み替えで税金を払わずに済む?3,000万控除・買換え特例・譲渡損失をFPが解説」も参考にしてください。
(参考:国税庁「土地や建物を売ったとき」)
一般的には夫婦の貢献度に応じて協議で決めるケースが多いとされていますが、個別の事情によって大きく異なります。
不動産のように分割しにくい財産が絡む場合は、売却して現金化してから分けるという整理の仕方も選択肢の一つです。
詳細は弁護士等の専門家にご確認ください。
結論から言うと、西宮北口・夙川・甲子園口・芦屋・宝塚エリアなどは中古マンション需要が比較的安定しています。
アンダーローンで完済できるケースも見られます(前年比+3.33%・2026年4月時点・LIFULL HOME'S調べ/参考価格です)。
ただし築年数や管理状態によって売却のしやすさは変わります。個別の査定で確認することをおすすめします。
あなたのケースは、どの方法が向いていますか?
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まとめ
- 契約の独立性:ペアローンは夫婦それぞれが独立した契約者になるため、離婚後も契約は自動的には変わらない
- 解消方法4パターン:「借り換えによる一本化」「免責的債務引受による一本化」「持分買取」「売却(アンダーローン・オーバーローン)」
- オーバーローン時の注意:金融機関の同意が必要な任意売却も選択肢になり、住宅ローン控除が使えなくなる点にも注意
- 専門家連携:財産分与とローンの整理は同時進行が必要なため、弁護士・司法書士との連携も検討する
- ピット不動産:FPの望美と、IT出身のリチャードが、中立的な立場で状況の整理をお手伝いします。
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