
西宮で住み替え、売り先行か買い先行か?金利上昇で変わる損しない選び方をFPが解説
「そろそろ今の家を売って、もう少し広いところに住み替えたい」
そう考え始めたとき、多くの方が最初につまずくのが「先に売るか、先に買うか」という選択です。
気に入った物件が出たので先に買った——でも旧居が想定より売れず、ダブルローンが半年続いた。
先に売ったら仮住まいが長引いて、家賃・引越し費用が80万円以上かかった。
どちらにも落とし穴があります。そして2026年の今、もうひとつ見落とせない要素が加わっています。金利上昇です。
日本銀行は2025年12月19日の金融政策決定会合で、政策金利を0.75%に引き上げることを決定しました(※1)。これを受け、三菱UFJ銀行は2026年3月に住宅ローンの変動金利基準を引き上げ(※2)、主要銀行の変動金利の最優遇金利は0.9〜1.1%台が中心となっています(※3)。かつての超低金利時代とは、明らかに状況が変わっています。
この記事では、西宮・阪神間での住み替えを検討している共働きファミリーに向け、FP・建築士の視点から「売り先行か買い先行か」の判断を整理します。
※1 日本銀行「金融市場調節方針の変更について」2025年12月19日
※2 三菱UFJ銀行「変動金利の基準金利見直しについて」2026年3月
※3 住まいサーフィン 2026年6月時点
- 判断軸:売り先行・買い先行のメリット・デメリットと、自分に合うケース
- 金利影響:変動金利上昇がダブルローン期間の家計に与える具体的な影響
- コスト感:仮住まい費用の現実的な目安と見落としがちな出費
- 西宮相場:エリア別の売却相場と、売れるまでにかかる期間の目安
- 判断フロー:3つの質問に答えるだけの「売り先行 vs 買い先行」チェック
- 今の家を売ってから次を買うべきか、先に買うべきか迷っている方
- 変動金利でローン残債があり、次の住み替え資金が読めない方
- 仮住まい費用を極力抑えて住み替えを進めたい方
住み替えで後悔する人が増えている理由——金利上昇が変えたもの
かつて変動金利が0.4%台だったころ、ダブルローンを数か月抱えても月々の追加負担は限定的でした。しかし2026年の今、主要銀行の変動金利の最優遇金利は0.9〜1.1%台が中心となっています(住まいサーフィン 2026年6月)。同じ「3か月のダブルローン」でも、家計へのダメージはかつてとは全く違います。
「気に入った物件が出たから先に買った」の末路
ローン残債1,800万円の旧居を抱えながら、新居に3,000万円の住宅ローンを組んだとします。変動金利の最優遇金利0.9%で計算した場合、旧居残債の月利息は約1.4万円(1,800万×0.9%÷12)の追加負担になります(※実際の適用金利は審査・条件によって異なります)。これが3か月続けば約4.2万円の追加利息支出です。さらに旧居の売却が長引き、「早く売らなければ」という焦りから売出価格を値下げして損失が出るケースも少なくありません。
変動金利の仕組みと今後の見通しは、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ 【2026年4月最新】変動金利1%時代到来!損益分岐点をFPが試算
「売れてから考えよう」の落とし穴
一方、売り先行で進めたものの、旧居引渡しから新居入居まで時間が空き、仮住まいが4〜5か月に及ぶケースもあります。
仮住まいの初期費用(敷金・礼金・前家賃・仲介手数料など)は家賃の5〜6か月分が目安です。月12万円の賃貸なら初期費用だけで60〜72万円。そこに引越し2回分の費用(目安:各5〜10万円)が加わります。さらに短期入居は賃貸で敬遠されることも多く、物件探し自体にも手間がかかります。
※初期費用の目安(一誠商事コラムより)。入居期間中の家賃は別途発生します。
住み替え全体にかかる費用の詳細は、こちらの記事にまとめています。
→ 住み替え全ステップと諸費用一覧|売却から購入まで詰まるポイントをFP・建築士が解説
実際にあったご相談:Dさんご夫婦のケース
Dさんご夫婦(夫38歳・妻35歳/共働き/子ども2人)
西宮市内のマンションを購入して8年。子どもの成長に合わせて広い戸建てへの住み替えを検討。ローン残債は約1,800万円、売却想定額は約2,500万円。新居のローンは3,000万円を想定。
「理想の物件が出たとき逃したくない」という思いから、旧居の売却前に新居を契約。しかし旧居は入居中のため内覧スケジュールが取りにくく、3か月間成約に至りませんでした。
| 費用項目 | 月額(参考) | 3か月合計 |
|---|---|---|
| 旧居残債利息(1,800万×0.9%÷12) | 約1.4万円 | 約4.2万円 |
| 新居返済(3,000万・0.9%・35年・元利均等) | 約8.5万円 | 約25.5万円 |
| 合計住宅費 | 約9.9万円 | 約29.7万円 |
※変動金利0.9%(最優遇金利・参考値)を使用した試算です。実際の適用金利・返済額は審査・条件により異なります。
最終的に旧居は200万円の値下げをして売却。当初の資金計画より大きく狂う結果となりました。
売り先行 vs 買い先行——西宮エリアで自分に合うのはどっち?
売り先行のメリット・デメリット
| 内容 | |
|---|---|
| メリット① | 売却価格が確定してから予算を決められる → 資金計画が立てやすい |
| メリット② | ダブルローンが発生しない → 2026年の金利上昇の影響を受けにくい |
| メリット③ | 売却価格を焦って値下げしなくて済む |
| デメリット① | 旧居の引渡し後、仮住まいが必要になる場合がある |
| デメリット② | 仮住まいの費用(初期費用+家賃+引越し2回)が発生する |
| デメリット③ | 仮住まい中に新居を急いで探す焦りが生まれやすい |
| 向いている方 | ローン残債が多い方・手元資金が限られている方 |
買い先行のメリット・デメリット
| 内容 | |
|---|---|
| メリット① | 気に入った物件が出たときすぐに動ける |
| メリット② | 引越しは1回で済む |
| メリット③ | 旧居に住みながら売却活動ができる |
| デメリット① | ダブルローン期間が発生しやすい → 2026年は変動金利が上昇済みのため、以前より負担が重い |
| デメリット② | 「早く売らなければ」という焦りから値下げしやすくなる |
| デメリット③ | 売却が長引くと家計への圧迫が続く |
| 向いている方 | ローン残債が少ない方・ダブルローン3〜6か月分の資金的余裕がある方 |
西宮・阪神間の売却相場と「売れるまでの期間」の目安
西宮市の中古マンション価格(70㎡想定・参考)は直近3年で約3.33%上昇しています(LIFULL HOME'S、2026年4月時点)。西宮北口・夙川・苦楽園などの人気駅エリアは引き続き需要が高い傾向が続いています。
売却にかかる一般的な期間は「3か月〜半年程度」が目安です(SUUMO)。ただし、築年数・駅距離・売出価格の設定によって大きく変わります。
| 条件 | 売れるまでの目安 |
|---|---|
| 築10年以内・駅徒歩10分以内 | 1〜2か月で成約するケースも |
| 築15〜20年・駅徒歩10〜15分 | 2〜4か月が目安 |
| 築20年超・駅徒歩15分以上 | 3〜6か月以上かかるケースも |
※2026年時点の参考値。エリア・物件状況・売出価格により大きく異なります。最新情報は査定時にご確認ください。
「旧居がどの条件に近いか」を事前に把握しておくことが、売り先行・買い先行の判断に直結します。住み替えの全体像は、こちらの記事も参考にしてください。
→ 家を売ってから買う?先に買う?西宮で失敗しない「住み替え戦略」完全版
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3つの質問に答えるだけ——あなたに合う住み替えの順番
住み替えの判断で迷ったら、以下の3つの質問に順番に答えてみてください。
- YES(残債 < 売却想定額):売却益が出るため、どちらの方法も選びやすい
- NO(残債 ≒ または > 売却想定額):売り先行を強く推奨。売却額が確定しないと資金計画が立てられない
(目安:家賃12万円の場合、初期費用+家賃で合計60〜80万円程度)
- YES:売り先行でも資金的に対応できる
- NO(ギリギリ):仮住まい期間を短くする計画が必要。または買い先行の検討も
- 常に出ている:売り先行でも間に合う
- 希少・タイミング勝負:買い先行も検討可(Q1・Q2の条件が揃っていることが前提)
判断マトリクス
| 残債の状況 | 仮住まい資金 | 物件の希少性 | 推奨 |
|---|---|---|---|
| 残債多い | あり | どちらでも | 売り先行(最も安全) |
| 残債少ない | あり | 常に出ている | 売り先行 or 同時進行 |
| 残債少ない | あり | 希少 | 買い先行も検討可 |
| 残債多い | なし | どちらでも | まず状況整理・要相談 |
「マンションと戸建てで住み替え後の選択肢が違う」と感じている方は、こちらも参考に。
→ マンションvs戸建て、迷ったら読む|西宮×共働きFP・建築士が判定
まとめ
- 売り先行は「資金確定・金利リスク回避」が最大のメリット。ローン残債が多い方・手元資金が限られている方に向いている。
- 買い先行は「物件選びの自由度・引越し1回」がメリットだが、日本銀行は2025年12月に政策金利を0.75%へ引き上げ(※1)、主要銀行の変動金利の最優遇金利は0.9〜1.1%台が中心(※3)。ダブルローン期間の利息負担は以前より重い。
- 仮住まい費用は初期費用だけで家賃の5〜6か月分が目安。引越し2回分・家賃も加えると総額80万円以上になることも想定しておく。
- 西宮エリアの中古マンション相場は直近3年で上昇傾向(LIFULL HOME'S 2026年4月)。売れるまでの期間は築年数・駅距離によって差がある。3か月〜半年を想定しておくのが安全(SUUMO)。
- まずやること:今の家のローン残債と売却想定額の差を把握すること。これが売り先行・買い先行の判断の起点になる。
※1 日本銀行「金融市場調節方針の変更について」2025年12月19日 ※3 住まいサーフィン 2026年6月時点
※金利・相場は変動します。最新情報は各金融機関・日銀の公表情報をご確認ください。
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