
リノベ費用は「物件価格の●%」より「建物の状態次第」|2026年コスト高騰時代の共働き向け資金設計
最終更新日:2026年4月26日
「リノベ費用って、物件価格の何パーセントにすればいいの?」
そう調べて、「30%が目安」「総予算の25%まで」といった数字を見つけた方も多いのではないでしょうか。
でも実は、「比率で決める」という考え方自体が、2026年の西宮では危険なんです。リノベ費用は物件の状態によって決まるもので、物件価格に比例しません。安い物件ほど、配管や断熱などにかかる費用が相対的に大きくなり、比率で考えると予算が足りなくなるケースが増えています。
こんにちは、西宮・赤穂を拠点に活動するピット不動産です。この記事では、2026年のコスト環境を踏まえた「リノベ費用の正しい上限の決め方」と、国の補助金を使ってコストを圧縮する方法を、建築士・FPの視点から解説します。
- 費用の現実:2026年版・西宮の中古マンションリノベ費用の相場と、コストが上がり続ける理由
- 正しい決め方:「物件価格の●%」ではなく、建築士が使う「上限の決め方」3ステップ
- 補助金活用:2026年から使える省エネリフォーム補助金(最大217万円)の仕組みと注意点
今、リノベ費用の見積りに失敗する人が増えている理由
「3年前に調べた相場で計画を立てたら、見積りが全然違った」——そういうご相談が増えています。建設コストは近年、構造的な上昇が続いており、過去の感覚では通用しなくなっています。
失敗パターン①:古い相場で計算している
建設物価調査会のデータによると、建設資材物価指数(建築補修)は2025年11月まで12カ月連続で上昇しています。国土交通省が2025年3月に発表した公共工事設計労務単価は前年比+6.0%で、平成25年度からじつに13年連続の引き上げとなりました。
日本建設業連合会(日建連)の試算では、2021年比で資材価格は平均39%高騰、建設コスト全体では最大32%上昇しています。
※出典:建設物価調査会「建設資材物価指数2025年11月分」、国土交通省「令和7年3月から適用する公共工事設計労務単価」、日本建設業連合会「建設資材・労務費高騰パンフレット2025年12月版」
失敗パターン②:「物件価格の●%」でリノベ費用を決めようとした
「総予算の30%まで」という目安をよく見かけますが、これは物件価格が高い場合にだけ機能する考え方です。たとえば総予算4,000万円の場合、30%なら1,200万円のリノベ予算になります。これは一定の合理性があります。
ところが同じ「30%ルール」を総予算2,500万円(物件1,800万円)に当てはめると、リノベ予算は750万円。西宮の築30年以上のマンションで、配管・断熱・水回りをしっかり直そうとすると、この金額では足りないことが多いのが現実です。リノベ費用は「建物の状態」と「工事の範囲」で決まるもので、物件価格に比例しません。
実際にあったご相談:Bさんご夫婦のケース
Bさん(夫33歳・妻31歳/共働き/子なし・第一子妊娠中)
西宮市内の築33年・65㎡の中古マンションを1,900万円で検討中。総予算2,800万円で「リノベ費用は800〜900万円まで」と決めていたが、内見時に二級建築士が床下と配管を確認したところ、給排水管の更新が必須と判明。水回り移設を含めると最低でも1,100万円以上かかることがわかり、当初予算との差額をどう埋めるか相談にいらっしゃいました。
2026年版・西宮の中古マンションリノベ費用の現実
まず、2026年現在の費用感を把握しておきましょう。首都圏基準の数字が多く出回っていますが、関西圏は±5〜15%程度安い傾向があります。
広さ別・フルリノベの目安(2026年4月時点)
| 専有面積 | 部分リノベ(水回り+内装) | フルリノベ(スケルトン) | 主な変動要因 |
|---|---|---|---|
| 50〜60㎡ | 300〜600万円 | 800〜1,200万円 | 配管更新の要否 |
| 60〜70㎡ | 400〜700万円 | 1,000〜1,400万円 | 間取り変更の有無 |
| 70〜80㎡ | 500〜800万円 | 1,200〜1,600万円 | 設備グレード・素材 |
※平米単価15〜20万円/㎡(工事費+設計監理費含む)を基準に試算。2026年4月時点の関西圏相場を参考に算出。設計・施工会社、仕様、建物状態により大きく変動します。
※参考:SHUKEN Re「2026年4月時点弊社実績」、ゼロリノベジャーナル「リノベーション費用相場2026年最新版」
費用を押し上げている4つの要因
| 要因 | 内容 | 影響度 |
|---|---|---|
| ①労務単価の上昇 | 2025年度・前年比+6.0%、13年連続引き上げ(国土交通省) | 高 |
| ②資材価格の高止まり | 建設資材物価指数は2021年比で約18%上昇(建設物価調査会) | 高 |
| ③円安・エネルギー高 | 2026年3月時点でドル円は150〜160円台が続き、輸入資材を直撃 | 中 |
| ④米国関税の波及 | 木材・キャビネット類等に新たな関税。2026年1月からキャビネット類は50%に引き上げ(JETRO) | 中〜高 |
※関税・為替の状況は変動します。最新情報はJETRO(jetro.go.jp)等でご確認ください。
予備費は「総工事費の10〜15%」を必ず確保する
リノベには「解体してみないとわからないリスク」が必ずあります。よくある追加費用の例を挙げると、給排水管の腐食による配管全交換(50〜100万円)、コンクリートの爆裂補修(20〜50万円)、想定外の下地補修(10〜30万円)などです。これらは内見段階では見えないことが多く、解体後に初めて判明します。
予備費は「節約できた分が戻ってくるお金」ではなく「使わないかもしれないけど必ず確保しておくお金」として、最初から予算に組み込んでおくことが原則です。
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建築士が使う「リノベ上限額の決め方」3ステップ
「比率で決める」ではなく、次の3ステップで考えると、予算オーバーのリスクを大幅に減らせます。
STEP1:先に「かくれコスト」を洗い出す
物件を気に入る前に、建物の状態を確認することが先決です。リノベ費用を大きく左右するのは「見えない部分」です。
- 絶対に削ってはいけない:給排水管の更新、断熱(内窓設置)、床下地の補修。ここをケチると、住み始めてから快適性が損なわれ、後からの改修は初期工事の数倍のコストがかかります。
- 後回しでもOK:建具(室内ドア)、照明器具、一部の壁紙。これらは後からでも交換でき、DIYでコストダウンもしやすい部分です。
- 構造チェックのポイント:スマホの水平器アプリで床の傾きを確認。2/1000以上の傾きがあれば是正工事が必要になる可能性があります。また、ラーメン構造か壁式構造かで間取り変更の可否が変わるため、確認が必須です。
STEP2:住宅ローン一体型で資金を組む
中古マンション購入+リノベを同時に計画する場合、「住宅ローン一体型(リフォーム一体型ローン)」を使うと、物件購入費とリノベ費用をまとめて一つのローンで借りることができます。
自己資金からリノベ費用を出そうとすると、教育費や生活費の緊急資金が一気に減るリスクがあります。ローンに組み込むことで月々の返済を分散し、手元の現金を守る設計が共働き世帯には合理的です。一体型ローンの使い方については、戸建てリノベ×一体型ローン活用の記事も参考にしてください。
また、住宅ローン控除(減税)はリノベ後の省エネ性能によって控除額が異なります。中古住宅×リノベの場合の詳細は、住宅ローン減税2026年版の記事で解説しています。
※住宅ローン控除の適用条件・控除率・控除期間は国税庁の最新情報でご確認ください。中古住宅と新築では適用要件が異なります。(参考:国税庁「住宅借入金等特別控除」タックスアンサーNo.1213)
STEP3:補助金でコストを圧縮する
2026年から「住宅省エネ2026キャンペーン」(国土交通省・経済産業省・環境省の3省連携)が始まり、2026年3月30日より交付申請の受付が開始されています。リフォームは世帯条件を問わず全世帯が対象で、共働きファミリーも使えます。
| 制度名 | 対象工事 | 補助上限(目安) | 担当省庁 |
|---|---|---|---|
| 先進的窓リノベ2026 | 高断熱窓への改修(内窓・外窓) | 1戸あたり最大100万円 | 環境省 |
| みらいエコ住宅2026(リフォーム) | 開口部・躯体等の省エネ改修 | 工事内容による | 国交省・環境省 |
| 給湯省エネ2026 | 高効率給湯器(エコキュート等)の設置 | 最大17万円 | 経済産業省 |
※3制度の組み合わせで最大217万円の補助が可能とされています。各制度の補助額・要件・申請期限は予算上限に達した時点で終了します。必ず事務局公式サイト(jutaku-shoene2026.mlit.go.jp)で最新情報を確認してください。(出典:国土交通省・環境省・経済産業省「住宅省エネ2026キャンペーン」2025年11月28日閣議決定、2026年3月30日受付開始)
西宮エリア別・リノベ戦略の違い
西宮と一口に言っても、エリアによって物件の性格が異なり、リノベの戦略も変わります。
夙川・苦楽園エリア:「管理状態」を買う選択
築40年を超えていても、管理組合がしっかりしていて大規模修繕の実績があるマンションが点在するエリアです。物件価格が高いため、リノベ費用は「毎日触れる場所に集中させる」戦略が有効です。キッチンや床材、照明など生活の質に直結する箇所に予算をかけ、構造的に問題ない部分の内装は抑えめにするバランスが現実的です。
ただし、管理状態の良し悪しは重要事項調査報告書(管理会社発行)で確認が必要です。修繕積立金の不足や大規模修繕の未実施は、将来の一時金負担リスクになります。
今津・甲子園エリア:「部分リノベ」でコスパを最大化
利便性と価格のバランスが良く、比較的手の届きやすい物件が多いエリアです。あえて「リフォーム済み物件」を選び、自分のこだわりたい箇所だけ追加工事するスタイルがコストパフォーマンスを最大化します。水回りがすでに更新済みなら、リノベ費用を内装・収納・間取り変更に集中できます。
補助金の観点では、内窓追加による断熱改修が「先進的窓リノベ2026」の対象になることが多く、費用を抑えながら断熱性能を上げる改修がしやすいエリアでもあります。
赤穂エリア:「ゆとりリノベ」という選択肢
西宮の物件価格に息苦しさを感じているなら、もう一つの選択肢として赤穂市を視野に入れることもできます。物件価格を大幅に抑えられる分、リノベ予算を増やせるため、薪ストーブや趣味室など西宮では難しいこだわりを実現しやすくなります。新快速一本で神戸・大阪にアクセスできるため、週数日のリモートワークが可能な方には現実的な選択肢です。西宮と赤穂の二拠点生活についてはデュアルライフの始め方の記事でも詳しく解説しています。
自分たちの計画は大丈夫?購入前のセルフチェック
ここまで読んで「自分たちの場合はどうだろう?」と思った方のために、確認しておきたいポイントをまとめました。
- チェック①:リノベ費用の予算は「物件価格の●%」ではなく、建物の状態を確認した上で設定しているか
- チェック②:総工事費の10〜15%分の予備費を、別途確保できているか
- チェック③:共働きで片方の収入が減っても(育休・時短など)、ローン返済を続けられるシミュレーションをしているか
チェックできなかった項目がある方や、「うちの具体的な数字で計算したい」という方は、LINEでお気軽にご相談ください。物件URLを送っていただければ、建築士が状態を確認し、リノベ費用の概算をお伝えします。購入前の段階でのご相談も大歓迎です。また、マイホーム購入全体の流れは7ステップで解説した記事もご参照ください。
まとめ
- 比率より状態:リノベ費用は「物件価格の●%」ではなく、建物の状態と工事範囲で決まります。2026年現在、60〜70㎡のフルリノベは1,000〜1,400万円が現実的な目安です(関西圏)。
- 予備費は必須:建設コストは2021年比で最大32%上昇しており、「解体後にわかるリスク」も高まっています。総工事費の10〜15%は予備費として確保してください。
- 補助金を活用する:「住宅省エネ2026キャンペーン」(2026年3月30日受付開始)では、リフォームは世帯条件なく全世帯が対象。先進的窓リノベ2026で最大100万円など、上手に組み合わせることでコストを圧縮できます。ただし予算上限での終了に注意が必要です。
- ピット不動産:IT×建築×FPの三視点で、あなたの「損をしない家探し」を支えます。
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- 教育費ピークとローン返済が重なる時期を確認したか
- 片方の収入が減っても払える計画になっているか
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