【西宮】中古マンション

【西宮】中古マンション"買ってはいけない管理状態"7選|建築士が重説で見るポイント

【賢くなる】不動産マメ知識

松本 望美

筆者 松本 望美

不動産キャリア3年

専門資格:宅地建物取引士・二級建築士・二級ファイナンシャルプランナー
職歴:リフォームプランナー・リノベーションプランナー・新築戸建住宅開発・不動産売買

不動産の知識のみならず、建築士、FP、ママ目線でもあなたのお家をお探しいたします!
西宮市で、双子を含む子供3人を育てているワーキングママです。

「内見では雰囲気もよくて、価格も予算内だった。なのに、買ってから2年で一時金の請求書が届いた……」

中古マンションの購入後に後悔する方の多くが、「管理状態」の問題に気づけなかったというケースです。設備や間取りは内見でわかっても、管理組合の機能不全や修繕積立金の不足は、建物を見ただけでは絶対に判断できません。

それらの情報は、分厚い書類の中にひっそりと書かれています。建築士として重要事項説明書を何度も読んできた経験から言うと、危ないマンションには必ず共通したサインがあるのです。

この記事では、買ってはいけない管理状態の7つのパターンを、書類のどこで見分けるかとあわせて解説します。西宮・阪神間で中古マンションを検討中の共働きファミリーに、ぜひ最後まで読んでいただきたい内容です。


● この記事でわかること
  • 管理が危ないマンションの7つのサイン:内見ではわからない「書類の読み方」まで解説します
  • 修繕積立金「不足問題」の実態:国土交通省のガイドライン数値をもとに、危険ラインを具体的に示します
  • 将来"売れなくなる"マンションの特徴:融資審査で弾かれるケースや資産価値への影響も説明します
● この記事に向いている方
  • 西宮・阪神間で中古マンションを検討中の方
  • 内見では管理の良し悪しが判断できず不安な方
  • 重要事項説明書を受け取っても、どこを見ればいいかわからない方
中古マンションって、見た目がきれいでも管理が終わってる物件がけっこうあるんですよね。しかも重説のどこに書いてあるか知らないと完全に見落とす。今日は「書類のここを見ろ」って話、望美さんにがっつり語ってもらいます。
ピットちゃん

なぜ中古マンションの管理問題は「買った後」に発覚するのか

マンションを購入するとき、ほとんどの方は「物件そのもの」を見て判断します。内装のきれいさ、日当たり、収納の広さ、駅からの距離——これらは内見で確認できます。ところが、管理の状態は内見では絶対に見えません。

管理の実態は、管理組合の議事録、修繕積立金の残高、長期修繕計画書、管理会社との委託契約書——こうした書類の中にあります。これらは重要事項説明の際に開示されますが、分量が多く、不動産会社の担当者も「ざっくり」読み上げて終わりになりがちです。

内見で見えるのは「今この瞬間」だけ

築15年のマンションでも、リフォームされた室内はピカピカに見えます。共用廊下や外壁も、清掃が行き届いていれば問題なさそうに見えるでしょう。しかし、大規模修繕のための積立金が底をついていたり、管理組合が事実上機能していなかったりすれば、数年以内に多額の一時金請求や修繕の先送りが起きます。

外壁のひび割れや設備の老朽化は、積立金がなければ修繕できません。その費用の不足分は、区分所有者——つまりあなたに請求が来ます。

Aさんご夫婦のケース:購入2年後に届いた200万円の請求書

● 実際のご相談事例

Aさんご夫婦(夫38歳・妻35歳/共働き/子ども1人)
西宮市内の阪神沿線で築18年の中古マンション(3LDK)を約3,200万円で購入。内装はリフォーム済みで非常にきれい。管理費・修繕積立金は月2万円台で「維持費も許容範囲」と判断。ところが購入から2年後、管理組合から「修繕積立金が大幅に不足しているため、一時金として1戸あたり200万円を徴収します」という通知が届いた。長期修繕計画書は重要事項説明の際に受け取っていたが、「数字が多くて読まなかった」とのこと。

望美
このケース、実はよくある話なんです。長期修繕計画書の「収支見通し」の欄を見れば、将来の積立金不足は購入前に判断できます。数字が読めれば防げた後悔です。だからこそ、次のセクションで「どこを見るか」を具体的にお伝えします。

建築士が重要事項説明書で確認する"買ってはいけない管理状態"7選

ここからが本題です。建築士として重要事項説明書や管理組合の書類を何度も読んできた経験をもとに、「これが出たら要注意」というサインを7つに絞って解説します。どの書類のどこを見ればいいかも合わせて示しますので、購入前のチェックリストとしてご活用ください。

① 修繕積立金が「㎡あたり200円未満」になっている

修繕積立金の適正水準を判断する基準として、国土交通省が「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」(令和6年6月改定)を公表しています。20階未満・建築延床面積5,000〜10,000㎡規模のマンションの場合、計画期間全体での平均額の目安は㎡あたり252円/月です(事例の3分の2が含まれる幅は170〜320円/月)。

専有面積70㎡の住戸に換算すると、月額約17,640円が目安となります。ところが現実には、月5,000〜8,000円台に設定されているマンションも少なくありません。新築時に購入しやすく見せるために低く設定され、そのまま据え置かれているケースです。

● どこで確認するか
  • 確認書類:重要事項説明書の「管理費・修繕積立金の額」欄
  • 見るべき数字:修繕積立金の月額 ÷ 専有面積(㎡)= ㎡単価。これが170円を大きく下回っている場合は要注意
  • 注意点:新築時から段階増額方式を採用しているマンションは、将来の値上げ計画も確認が必要(令和6年改定では値上げ幅の上限は均等積立方式基準額の1.8倍まで)

※上記数値は国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」令和6年6月改定版に基づきます。建物規模・設備条件により変動します。

望美
「管理費と積立金合わせて月2万円以下」という物件は一見コスパよく見えますが、積立金が月5,000円台だとガイドラインの半分以下ということも。安さの理由が「将来の一時金請求」に化けてくることがあります。

② 長期修繕計画が10年以上更新されていない

長期修繕計画は、通常5年ごとに見直すことが推奨されています(国土交通省「長期修繕計画作成ガイドライン」)。10年以上更新されていない計画書は、現在の工事単価や資材高騰が反映されておらず、実際の修繕費用と大きくかけ離れている可能性があります。

特に近年は建材・労務費の高騰が著しく、10年前の計画に基づいた積立金額では確実に不足します。「計画書はあるが、作成日が2010年代前半のまま」という物件は要注意です。

● どこで確認するか
  • 確認書類:長期修繕計画書(重要事項説明時に開示される)
  • 見るべき箇所:計画書の「作成日」または「最終改訂日」。5年以上更新なし→要注意、10年以上→重大なリスクサイン
  • 追加確認:「収支見通し」の欄で、将来の残高がマイナスに転じていないか確認する

③ 大規模修繕の実施記録が築20年以上でゼロか1回のみ

外壁・防水・給排水管などの大規模修繕は、一般的に12〜15年周期で実施されます。築20年以上のマンションで一度も大規模修繕を行っていない、または1回のみの場合、建物の劣化が相当進んでいる可能性があります。

「修繕工事費が足りないから先送り」のケースも多く、積立金不足の証拠でもあります。また、修繕の先送りは建物の劣化を加速させ、将来の修繕費用をさらに膨らませる悪循環を生みます。

● どこで確認するか
  • 確認書類:修繕履歴(重要事項説明書の「建物の維持修繕の実施状況」欄)
  • 見るべき箇所:大規模修繕工事の実施年月・内容。築15年以上なのに記載がない場合は売主または管理組合に直接確認する

④ 管理組合の総会が開催されていない・議事録が数年分ない

管理組合は区分所有法に基づき、年1回以上の総会開催が義務付けられています。重要事項説明で開示される「管理組合の運営状況」の欄に、直近2〜3年の総会が記録されていない場合は、管理組合が事実上機能していないサインです。

管理組合が機能していないマンションでは、修繕の意思決定ができず、管理費の滞納放置、長期修繕計画の更新放棄など、複合的な問題を抱えていることが多いです。

● どこで確認するか
  • 確認書類:管理組合の総会議事録(直近3年分が開示されるのが標準)
  • 見るべき箇所:開催日・出席者数・議題。議題に「積立金の値上げ」「修繕計画の見直し」が毎回先送りされている場合も危険サイン
望美
議事録を読むと、管理組合の「空気感」がわかります。毎年同じ議題が「継続審議」になっているのは、合意形成できていない証拠。住民間の関係が悪化しているケースも珍しくありません。

⑤ 管理費・修繕積立金の滞納戸数が全体の10%を超えている

修繕積立金の滞納は、積立総額の不足に直結します。滞納戸数が全体の10%を超えているマンションは、実質的な積立残高がガイドライン水準をさらに下回ります。また、滞納が多いということは、住民の管理意識の低さや、すでに資金難に陥っている住民が多いことを示している場合もあります。

● どこで確認するか
  • 確認書類:重要事項説明書の「管理費・修繕積立金の滞納状況」欄
  • 判断ライン:滞納戸数が総戸数の5%以上→要注意、10%超→重大リスク
  • 注意点:「滞納なし」と記載されていても、「売主が決済前に立替払いしている」ケースも。管理会社への直接確認が有効

⑥ 管理会社が数年以内に変更されている・複数回変わっている

管理会社が頻繁に変わるマンションは、管理組合との関係悪化、滞納問題の深刻化、または管理会社側からの契約解除(管理拒否)が背景にある場合があります。管理会社の交代自体は必ずしも問題ではありませんが、短期間に複数回変更されている場合は要調査です。

● どこで確認するか
  • 確認書類:管理委託契約書(現在の管理会社と契約開始日)
  • 追加確認:総会議事録の「管理会社変更」議題。3年以内に変更があれば売主または管理組合に理由を確認する

⑦ 積立金の値上げ計画・一時金徴収の決議記録がある

総会議事録に「修繕積立金の値上げ議案」や「一時金徴収の決議」が記載されているケースは、現在の積立額がすでに不足していることを管理組合が認識しているサインです。値上げ決議済みの場合は、購入直後から月額負担が増えることになります。一時金徴収の決議がある場合は特に注意が必要で、金額によっては数十万〜百万円単位の出費になります。

● どこで確認するか
  • 確認書類:直近3年分の総会議事録・長期修繕計画書の「資金収支計画」
  • 見るべき箇所:「修繕積立金の改定」「一時金の徴収」「借入金の検討」などの議題
  • 重要:値上げ決議済みの場合、その新単価・実施時期を必ず確認し、将来の月額コストに加算して物件価格を評価する
No. 危険サイン 確認書類 リスクレベル
修繕積立金が㎡あたり170円未満 重要事項説明書(管理費・積立金欄)
長期修繕計画が10年以上未更新 長期修繕計画書(作成日)
築20年以上で大規模修繕ゼロ or 1回のみ 修繕履歴(重要事項説明書)
総会が数年間未開催・議事録がない 総会議事録(直近3年分)
滞納戸数が全体の10%超 重要事項説明書(滞納状況欄) 中〜高
管理会社が短期間に複数回変更 管理委託契約書・総会議事録 中〜高
値上げ決議・一時金徴収の記録あり 総会議事録・資金収支計画 中(金額による)

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修繕積立金「足りない問題」の実態|数字で見る危険ライン

修繕積立金の不足は、マンション業界では珍しい問題ではありません。国土交通省の調査によれば、修繕積立金が計画に対して不足しているマンションは全体の約34%にのぼるとされています(平成30年度マンション総合調査)。つまり、中古マンション3戸に1戸の割合で何らかの不足が生じているということです。

なぜ「積立金が少ない=安い物件」は罠なのか

月額の管理費・修繕積立金が低い物件は、月々の支出が少なく見えます。しかし、積立金が不足していれば、将来的に以下のいずれかが起きます。

● 積立金不足が招く3つの末路
  • 一時金の徴収:1戸あたり数十万〜200万円以上の一時金が突然請求される。ローン返済と重なれば家計が一気に圧迫される
  • 大規模修繕の先送り:外壁・防水・給排水管の修繕が先送りされ、建物の劣化が加速。居住環境の悪化と資産価値の下落が同時に進む
  • 借入金での補填:修繕工事費を金融機関から借り入れるケースもあり、その返済が修繕積立金の値上げとして住民に転嫁される

「段階増額方式」のマンションは特に要注意

新築時に「月5,000円」だった修繕積立金が、5年後に「月8,000円」、10年後に「月12,000円」と段階的に上がる仕組みを「段階増額積立方式」といいます。令和6年6月改定のガイドラインでは、この値上げ幅の上限を基準額の1.8倍までとする考え方が示されましたが、過去に設定されたマンションでは3〜5倍規模に膨らんでいる事例も報告されています。

中古マンションを購入する際は、「今の積立金額」だけでなく、「今後10〜20年でいくらになるか」まで確認することが不可欠です。

資産価値が落ちにくい物件の選び方については、こちらの記事も参考にしてください。→ 【西宮】資産価値が落ちにくい家とは?建築士が教える3つの共通点

こんなマンションは将来"売れなくなる"|実際に起きているケース

管理状態の悪さは、居住中の問題にとどまりません。将来売却しようとしたときに、買い手がつかない・銀行融資が下りないという深刻な事態を引き起こします。

銀行の融資審査でも「管理状態」が見られる

住宅ローンの融資審査では、物件そのものの担保価値が評価されます。管理状態が著しく悪いマンションは、担保として認められない、または融資額が大幅に減額されるケースがあります。修繕積立金の著しい不足や、大規模修繕が長期間未実施の場合は、金融機関が「将来の価値下落リスクが高い」と判断するためです。

買い手が見つかっても融資審査で弾かれれば、取引は成立しません。結果として「売りたくても売れない」物件になります。

修繕積立金ゼロ・管理組合解散状態の物件が実在する

極端な例ですが、長年の滞納と先送りが重なり、修繕積立金残高がほぼゼロになったマンションや、管理組合が事実上解散状態に陥り、維持管理が誰も担えなくなった物件が実際に存在します。こうした物件では、共用部の電灯すら管理できない状態になることもあります。

築年数と価格だけを見て「お買い得」と判断した結果、将来の出口が完全に塞がれる——これが管理状態チェックを怠った場合の最悪のシナリオです。

中古物件の建物診断・購入時の注意点については、こちらも参考にどうぞ。→ 「予算オーバーが怖い…」中古戸建リノベは『建築士診断×一体型ローン』で安心になる

内見前・重説時に使える!自分でできる管理状態セルフチェック7項目

ここまでの内容を踏まえ、購入検討中の物件に当てはめて確認できるチェックリストをまとめました。不動産会社の担当者に確認するときの質問リストとしてもご活用ください。

● 管理状態セルフチェック7項目
  • 修繕積立金の㎡単価:月額 ÷ 専有面積が170円以上あるか(大幅に下回る場合は要確認)
  • 長期修繕計画の更新日:直近5年以内に改訂されているか
  • 大規模修繕の実施歴:築15年以上で1回以上の実績があるか
  • 総会の開催実績:直近3年分の議事録が開示されているか
  • 滞納状況:滞納戸数が全体の5%以内か
  • 管理会社の安定性:直近5年間で管理会社の変更がないか
  • 値上げ・一時金の予定:近い将来の積立金値上げや一時金徴収の決議がないか

3項目以上に「✗(問題あり)」がついた場合は、購入前に専門家への相談を強くおすすめします。特に①②③が重なるケースは、数年以内に大きな出費が発生するリスクが高い状態です。

なお、重要事項説明書の読み方や購入全体の流れについては、こちらの記事もあわせてご覧ください。→ 「失敗しない」マイホーム購入の7ステップ

まとめ|「管理の問題は買った後では取り返しがつかない」

中古マンションの管理状態は、内見では絶対に見えません。重要事項説明書・長期修繕計画書・総会議事録という「3つの書類」を正しく読むことが、失敗しない中古マンション購入の大前提です。

● この記事の5つのポイント
  • 修繕積立金は㎡単価で判断する:国交省ガイドライン(令和6年6月改定)では中規模マンションの目安は252円/㎡・月。170円を大幅に下回る場合は要注意
  • 長期修繕計画の「日付」を見る:10年以上未更新の計画書は実態と乖離している可能性が高い
  • 総会議事録は「3年分」確認する:毎年同じ議題が先送りされているマンションは、管理組合が機能していないサイン
  • 「安い管理費」は将来の一時金請求に化ける:月額コストだけで判断せず、将来の積立金値上げ計画まで確認する
  • 管理が悪いマンションは「売れなくなる」:融資審査で弾かれるリスクがあり、将来の売却価値に直結する

「このマンションの管理、大丈夫かな?」と少しでも不安を感じたら、重要事項説明書を受け取った段階でご相談ください。建築士の目線で、書類のどこを見るべきかを一緒に確認します。7項目のうち3つ以上当てはまった方は、特に早めに動くことをおすすめします。

重説って「受け取って終わり」にしがちですよね。でも管理の問題は全部あの書類に書いてあるんです。「読んだけどよくわからなかった」もLINEで聞いてもらえれば、望美さんが一緒に見ます。
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