
【変動 vs 固定 2026】金利1%時代の正解はどっち?共働きファミリー向け判定チャート付き
「変動にしたいけど、これ以上金利が上がったら怖い。でも固定は高すぎる気もする——」
2026年、住宅ローンを検討しているほとんどの共働きファミリーが、このループにはまっています。
日銀の政策金利は2024年のマイナス金利解除から3回の利上げを経て0.75%に。変動金利の適用金利はネット銀行で0.9〜1.0%前後、メガバンクでも優遇後で1%台に乗り、「適用1%時代」が本格到来しました。一方フラット35(全期間固定)は2026年4月時点で2.490%と、過去最高水準を更新し続けています。
変動と固定の金利差は現時点で約1.6%以上——過去最大水準まで開いています。この状況で「どっちが正解か」を一般論で語っても意味がありません。
この記事では、「あなたの家族はどちらを選ぶべきか」を年収帯・家族構成・育休リスクで判定するロジックを、FP×建築士の視点でお伝えします。
- 2026年5月時点の金利水準:変動・固定それぞれの最新数値と、変動固定金利差が過去最大になっている背景
- 変動・固定のリスクの本質:一般論ではなく、共働きファミリーに特有のリスク(育休×金利上昇のダブルパンチなど)
- 「あなたはどっち?」判定ロジック:年収帯・育休予定・貯蓄余力・メンタル耐性の4軸で判定する考え方
- 建築士視点の補足:金利だけで決めてはいけない、物件の総コストとローン選択の関係
- 住宅ローンを変動にするか固定にするか、まだ決め切れていない方
- 「変動が怖い」と感じているが、固定の高さも気になっている方
- 育休・時短復帰を控えていて、返済リスクが不安な方
【2026年5月時点】変動と固定、金利差は過去最大水準まで開いた
まず数字を整理します。2026年5月時点の主要な住宅ローン金利の目安は以下の通りです(新規借入・最優遇金利適用)。
変動金利(全期間変動型)の現状
| 金融機関の区分 | 適用金利の目安(2026年5月) | 備考 |
|---|---|---|
| ネット銀行(住信SBI・auじぶん等) | 0.3〜0.6%台(実質金利ベース) | 団信保障の内容で実質コストが変わる |
| ネット銀行(SBI新生・PayPay等) | 0.9〜1.0%前後 | 2025年12月の利上げ分を反映済み |
| メガバンク(優遇後) | 1.0〜1.1%前後 | 店頭金利3.125%から優遇幅を引いた水準 |
変動金利の見直しは年2回(4月・10月)。次回は2026年10月です。市場では6月の日銀追加利上げ(+0.25%)が高確率で織り込まれており、10月の見直しタイミングでさらに上昇する可能性があります。
全期間固定金利(フラット35)の現状
| 時点 | フラット35金利(21〜35年・頭金10%以上) | 備考 |
|---|---|---|
| 2026年4月 | 2.490% | 過去最高値を更新 |
| 2026年5月(予測) | 2.570%前後 | 10年国債利回り上昇を受けてさらに上昇傾向 |
フラット35は子育て世帯向けの「子育てプラス」制度があり、18歳未満の子どもが1人いる世帯は5年間0.25%引き下げ(子どもの人数に応じて優遇幅が拡大)。条件に当てはまる場合は実質金利を下げられます。
変動と固定の「逆転ライン」を知っておく
2026年5月時点の変動・固定金利差は約1.63%です。これは「変動金利が年1.63%以上上昇し、それが35年間続くのであれば固定の方が総返済額で有利」という逆転ラインを意味します。
逆に言えば、変動金利が緩やかな上昇にとどまった場合、変動の方が総返済額を大きく抑えられる計算になります。この「差がどこまで縮まるか」の判断が、選択の核心です。
- 固定も上昇中:日本の10年国債利回りは2026年3月末で2.366%まで上昇。固定金利はこれに連動するため上昇圧力が続いている
- 「今すぐ固定に逃げれば安心」は半分正解:確かに将来の金利上昇から守られるが、すでに高い水準で35年間固定する選択でもある
- どちらを選んでも金利リスクはゼロにならない:これが2026年の住宅ローン選びの大前提
変動金利1%時代の損益分岐点をFPが試算した詳細は、こちらの記事(変動金利1%時代到来!損益分岐点をFPが試算)もあわせてご覧ください。
変動・固定それぞれの「本当のリスク」——共働きファミリーに特有の視点で整理する
一般的に語られるメリット・デメリットに加えて、共働きファミリーが意識すべきリスクを整理します。
変動金利のトレードオフ
| メリット | リスク・デメリット |
|---|---|
| 固定より1.5%以上低い金利で借りられる(現時点) | 将来の金利が読めない |
| 金利が安定すれば総返済額を大きく抑えられる | 育休・時短と金利上昇が重なるリスクがある |
| 固定への切り替えオプションがある商品も多い | 5年ルール・125%ルールは「安心」ではなく「遅延」 |
固定金利のトレードオフ
| メリット | リスク・デメリット |
|---|---|
| 完済まで返済額が変わらず、家計管理がしやすい | 変動より1.5%超高い金利で35年間固定する |
| 金利が急上昇した場合に守られる | 金利が上がらなかった場合、変動より総返済額が多くなる |
| 育休・時短中も返済額が変わらず安心 | フラット35は今後もさらに上昇が予測される |
「5年ルール・125%ルール」は安心装置ではなく遅延装置
変動金利には返済額を5年間据え置く「5年ルール」と、返済額が前回の125%を超えないようにする「125%ルール」を設けている金融機関が多くあります。一見安心に見えますが、これは「返済額が増えない」のではなく「増えた分の利息が後ろに積み上がる」仕組みです。
急激な金利上昇が続いた場合、元本の減りが遅くなり、最終的な総返済額が想定より大幅に増えるリスクがあります。変動を選ぶ場合は、このルールの仕組みを理解した上で「繰り上げ返済の余力を持つ」ことがセットになります。
住宅ローンで破綻する人の共通パターンについては、こちらの記事(住宅ローンで破綻する人の共通点5選)も参考にしてください。
\ 変動か固定か、自分たちの正解がわからない /
年収・育休・借入額をもとに
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【判定ロジック】あなたの家族はどちらを選ぶべきか——4つの軸で考える
「変動 vs 固定」は一般論で答えが出ません。以下の4軸で、ご自身の状況に当てはめて判断してください。
判定軸①:世帯年収と返済比率
まず「金利が上がっても家計が回るか」をシミュレーションします。
FP基準の目安:月収の25〜28%以内が安全な返済比率(育休・時短期間は収入ベースを下げて試算)
| シナリオ | 月返済額の目安(借入4,000万円・35年) | 変動比の増加額 |
|---|---|---|
| 変動金利1.0%(現状) | 約109,000円 | — |
| 変動金利2.0%(+1%上昇) | 約132,000円 | +約23,000円/月 |
| 変動金利3.0%(+2%上昇) | 約159,000円 | +約50,000円/月 |
| 固定金利2.57%(フラット35) | 約143,000円 | 固定額・変動なし |
※上記は元利均等返済・ボーナス払いなしの目安。実際の返済額は借入条件・金融機関によって異なります。
- 世帯年収600万円未満:固定または短期固定を推奨。金利が2%に上昇しただけで月+2万円超の負担増は家計へのインパクトが大きい。変動を選ぶ場合は借入額を抑えることが前提。
- 世帯年収600〜800万円:どちらも選択肢に入る。育休・時短の予定がある場合は固定の安定性を重視。貯蓄余力があれば変動も検討可能。
- 世帯年収800万円以上:変動も十分選択肢。ただし「金利2%まで上がっても家計が回るか」をシミュレーションした上で判断する。
共働き世帯の安全な借入額の考え方は、こちらの記事(西宮で住宅ローンを安全に組む方法)で詳しく解説しています。
判定軸②:育休・時短復帰のリスク
共働きファミリーに特有の判断軸が「育休・時短のタイミング」です。子どもが1〜3歳の時期は収入が最大30〜40%減ることも珍しくありません。この時期と金利上昇が重なると、変動の場合は「収入減+返済額増」のダブルパンチになります。
- 育休・時短が確実に来る、または2人目も予定している:固定の安定性を優先することを検討する。返済額が変わらないことが精神的・家計的な安全網になる。
- すでに育休・時短が終わりフル収入に戻っている:変動の金利メリットを活かしやすいタイミング。繰り上げ返済余力を積み上げながら変動を使う戦略も有効。
- まだ子どもがいないが数年以内に予定:固定、または「変動で借りて育休前に繰り上げ返済を厚くしておく」ハイブリッド戦略を検討する。
判定軸③:貯蓄の厚みと繰り上げ返済余力
変動金利を安全に使うには「金利が上がっても繰り上げ返済できる資金の余力」がセットです。
- 目安:借入残高の10〜15%を流動性資産として確保できているか(3,000万円借入なら300〜450万円)
- この水準を確保できていない場合:変動金利のリスクを吸収する安全網が薄い。固定を選ぶか、借入額を下げる調整を先に行うことを推奨します。
判定軸④:精神的な「金利ストレス」耐性
これは数字だけでは測れません。「金利が上がるニュースを見るたびに不安になる」タイプの方は、実際の返済額への影響が小さくても精神的なダメージが大きく、夫婦間の不和につながることもあります。
「固定にしたことで安心してローン以外のことに集中できる」という効果は、固定を選ぶ立派な理由です。ローンは35年続く意思決定。「続けられる選択」が最善です。
建築士から見る「金利だけで決めてはいけない」理由
住宅ローンの選択は、金利の有利・不利だけでは決まりません。建築士とFP両方の視点を持つ立場から、もう一つ重要な観点をお伝えします。
総返済額+維持コストで見ると、判断が変わることがある
中古物件を購入する場合、新築と比べて修繕・設備交換のタイミングが早くやってくることがあります。金利を抑えて変動を選んだとしても、10〜15年後に大型修繕(給排水・外壁・屋根など)の費用が重なると、その時点で手元資金が不足するリスクがあります。
逆に「固定で月々の返済を安定させ、残ったキャッシュを修繕積立に回す」戦略は、建築士的には理にかなっています。物件の築年数・構造・修繕履歴をふまえてローンタイプを選ぶ——これが建築士が関わることで初めてできる視点です。
住宅ローン減税と省エネリノベの組み合わせによるコスト削減については、こちらの記事(住宅ローン減税2026年版)も参考にしてください。
ペアローンを組む場合、金利タイプを「揃えなくていい」
ペアローンで夫婦それぞれが借り入れる場合、二人が同じ金利タイプを選ぶ必要はありません。
- 夫 → 変動金利:育休なし・フル収入が安定している場合。金利メリットを活かしつつ繰り上げ返済余力を積む。
- 妻 → 固定金利:育休・時短を予定している場合。収入が減る期間も返済額が変わらず安心。
- 効果:夫婦全体としてリスク分散でき、どちらかの収入変動にも柔軟に対応できる。
まとめ:「あなたはどっち?」2軸で最終判定
ここまでの内容を2つの判定ボックスに集約します。
- 世帯年収800万円以上で、返済比率に余裕がある
- 育休・時短がすでに終わり、フル収入に戻っている
- 借入残高の10〜15%以上を流動資産として持てる
- 金利上昇のニュースに過度なストレスを感じない
- 繰り上げ返済を積極的に活用できる生活設計ができている
- 世帯年収600万円未満、または借入額が大きい
- 育休・時短が今後予定されている(特に2人目も視野に)
- 繰り上げ返済の余力を十分に持てない
- 毎月の返済額が固定されることで安心して家計管理できる
- 金利ニュースのたびに精神的なストレスを感じる
- シミュレーションを1つだけやってみる:「変動金利が2.0%になった場合の月返済額」を計算し、育休中の収入でも家計が回るかを確認する。回れば変動の選択肢がある。回らなければ固定が安全。
- 夫婦で別々に判断しない:どちらか片方だけが「変動派」「固定派」でいると、後で摩擦が生じやすい。シミュレーションの数字を共有しながら二人で判断する。
この記事のまとめ
- 2026年5月の金利差は過去最大:変動(ネット銀行0.9〜1%前後)とフラット35(2.49〜2.57%)の差は約1.6%。どちらを選んでも金利リスクはゼロにならない。
- 共働きに特有のリスクは「育休×金利上昇の重なり」:収入減と返済額増が同時に来るシナリオを必ず事前にシミュレーションする。
- 判定は4軸で:世帯年収・育休予定・貯蓄余力・精神的ストレス耐性。どれか一つで決めず、組み合わせて判断する。
- 建築士視点:金利だけでなく、物件の維持コスト・修繕時期も含めた総コストで判断することが「後悔しない選択」につながる。
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- 金利+1%でも生活が崩れない借入額になっているか
- 繰り上げ返済 or 貯蓄の余力が計画に入っているか
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